大内 社長




1.仕事の概要


川崎 まずはお仕事の概要を教えてくださいますか。



大内 はい、一言で云うと食品衛生のサービスです。具体的にはノロウイルスやO157の検査、飲食店での衛生の指導・評価、そして、HACCP(ハサップ)の義務化に向けてのコンサルティングという3つが主な業務です。


川崎 HACCPというのは、食品衛生管理の基準のことですね。それが法改正によって全ての飲食業に義務化されるために、その導入にあたってのサポートをされておられる訳ですね。対象となるお客様はどんなところですか。


大内 はい、飲食店、ホテル、食品工場や大手外食チェーンなどです。幾つかの顧客では従業員教育も行っています。


川崎 今年はコロナウイルスの問題もありますが、食品衛生管理は本当に大切だと思います。 大内さんは、どうしてこの仕事を志したのですか。


大内 以前は人の血液を検査する会社にいました。そのときに、私がある研究者の指導でO157を見つけることに成功したのですが、ちょうどO157が全国的に問題になり、その検査を大量に受注したのです。食品衛生部門のリーダーの一人として全国を駆け回ったのですが、その後、会社は方針により食品衛生分野から撤退することになりました。食品衛生管理について多くの人が困っている状況がありましたので、それを放っておけずに、新たに会社を作ったという訳です。




2.HACCP義務化


川崎 使命感が根底にあるのですね。ところで、HACCPに準拠した食品衛生管理の義務化が2021年6月にスタートしますが、これについてどう考えていますか。



大内 日本の食は安全なのですが、第三者に「安全です」と客観的に言える仕組みがないという点で、制度が遅れていました。それを世界に向けて客観的に伝えることができる制度がスタートするわけです。


川崎 日本の食の安全を世界発信できる大切な改正だと思いますが、細かな管理記録を日々残していかなければならないので、小規模の飲食店などは実施が大変だと思いますがどうでしょう。


大内 私は食品衛生のセミナーをやっていますが、小規模の飲食店は人不足で参加も難しいということを聞き、一番困っているのは、このような方々だと気づいたのです。そこで、小規模飲食店でも簡単にHACCP準拠の食品衛生管理ができるアプリの開発をしようと考えました。




3.開発会議と特許


川崎 そのアプリの開発会議に私たち朝日特許事務所を呼んで頂いたのですね。それ以来、特許を生み出す活動をご一緒にさせて頂いてますが、私達の対応はいかがでしょうか。


大内 私には特許事務所にお願いするときのイメージがあって、コレを特許にしてね、という「コレ」を出す必要があると思っていました。しかし、全く違っていて、一緒に動いている開発会社の方も驚いていましたが、開発の話しを一緒に盛り上げながら、こちらが気づかなくても、この部分が特許になるという可能性を掘り起こしてくださったのです。最初の打ち合わせで、5つくらいの特許のポイントがでましたね。それって他でやってないことだと思いました。


川崎 開発のお話をお聞きしていると、こんな未来が描けそうだというイメージが湧いてきて、それに沿って言葉を投げかけると、こんな実施の仕方もある、こんな状況にも使えるという内容が、大内さんからどんどん出てきましたね。楽しく、ワクワクしておりました。


大内 うちの会社は零細企業なんですけど、HACCP用アプリの開発は大企業も参入しています。そういう大手と立ち向かうには、特許がないと勝てないと思います。いいタイミングで川﨑さんに出会い、特許化を早く始めることができました。特許で守られたアプリでないと投資はできませんね。特許化と連動しながらの開発なので、新たなもの常に生み出そうという気持ちでやっています。


川崎 そうですか。OMリサーチの皆さまは、多くの現場で食品衛生管理を実際に行っているので、アプリに必要なものは何かという課題を的確に発見されます。それは特許を作り出す上で大変に素晴らしいポイントなんです。


大内 他社さんのアプリは、アプリ開発技術者が売れそうなものを作っていると思うのですが、私達は自分たちの現場のニーズから作っています。


川崎 ほんとうに、大内さんのところでは、現場で実際に指導されている視点から開発されているので、一つひとつのポイントが非常に具体的で有用だと思います。我々は、そのポイントを更に広く活用できないかと質問を投げかけますが、それに対しての答えがまた素晴らしくてどんどんアイディアが広がっていきます。




4.スピード特許取得



川崎 そして、早期審査や審査官面談を積極的に行い、出願した特許が半年ほどで特許になり、既に3件の特許を取得していますね。しかも、基本的な特許の内容で権利範囲も広いです。これはアプリの販売にとても有利だと思います。この規模の会社がこれほど特許戦略をうまくやっているのは本当に凄いと思います。


大内 特許のポイントを掘り起こして頂かなかったら気づけなかったです。そこが有難かったと思います。


川崎 開発をされている中小企業は、いいものを凄くもってらっしゃる。しかし、ご自身でそこに気づけないことも多いようです。私達はそこに伴走して可能性を引き出したいと思っています。これからもOMリサーチ様の知的財産構築に向かって頑張らせて頂きたいと思います。大内さん、本日は貴重なお時間ありがとうございました。


大内 どうもありがとうございました。